小杉 幹子 (目白大学大学院心理学研究科現代社会心理専攻)
第7回大会 参加記
先ず、院生になって初めての学会への参加なので期待と不安で一杯だったのですが、院生の集いを通して他大学の院生と交流を持てたことや、懇親会では他大学の先生方も優しくお声を掛けてくださったことに感謝申し上げたいと思います。目白大学大学院の授業は夕方から夜に開講されるため、普段は、学友と学問について語り合ったり、議論をしたりすることはほとんどなく、また、心理学の学問的特性から同じ専攻であっても専門領域に違いがあり、授業以外で話すこともあまりなかった私にとって他大学の院生との交流は、同じ院生として悩みを共有し、「コミュニティ心理学」をテーマに語り合うことができ、とても充実した二日間でした。残念ながら、同じ専攻の同期の仲間と同行することが出来なかったのですが、できれば、自己の学習の確度を修正、乃至は深度を高め、修論の執筆のためにも授業やゼミを共にする仲間と学会で学んだことをテーマに討論したかったと思いました。
また、分科会も興味深く拝聴させていただき、A-3「グローバル・コミュニティ心理学の可能性:その研究、実践と理論の異文化間妥当性のモデルに向けて」では、改めて『コミュニティ』とは何か? ということを突きつけられたような気がしました。また、自分の中ではまだ漠然としたままで、あまり理論、研究、実践を具体的に考えていなかったのですが、日常用語としてもなじみの深くなったこの言葉にどんな意味を持たせ、どんな機能が備わればいいのか、自分はその中で何を研究したいのか、また、それは実践可能なのか等々、自分の足元の地盤の緩さを思い知らされ、私の今後の研究対象として、さらには実践領域として実現可能な『コミュニティ』の射程距離を考えるよいチャンスになりました。 そこで、今回参加させていただいて新たにいただいた研究テーマがあります。キーワードは『花咲爺さん』です。全体を通して感じたのは、対人援助において、対象者を中心にして多領域から支えることは勿論、対象者を中心とした対個人、対集団という援助だけではなく対象者の生活の場にただ存在する人、いうなれば対象者に関心を持たない、または関係しない人々をも含む社会のメンバーすべてを援助のサークルに巻き込むような支援体制の構築です。つまり、無関係、無関心な人々という枯れ枝に援助者の一人であるという認識を持っていただくという花を咲かせることのできる『コミュニティ』をどのように構築し機能させていくか、また、その中でどのような役割を心理職が果たせばよいのかを追究していきたいと思います。 |