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第7回大会 参加記

窪田 容子 (女性ライフサイクル研究所)
 今大会は、VOVプログラムの創始者である、メアリー・ハーベイ氏の講演が聞けるということで、とても楽しみにしていました。VOVの沿革についての話では、20年前、政治的にも経済的にも非常に脆弱な形で始まった頃から、今日のように広く援助を行える体制になるまでに、レイプクライシスセンター、犯罪被害者のアドボケーター、周辺に住んでいる支援をしたいと思っている人たち、たくさんの草の根的なグループとつながっていくことが大きな力となったということでした。VOVが行っている援助アプローチだけでなく、VOVが創られ発展してきた過程そのものが、コミュニティの資源、強みを生かしていく介入となっていったのであろうことが、素晴らしいなと思いました。

VOVの、コミュニティの持つ知識、スキル、力などを生かし、足りないところを補っていく、障害があっても強みの方に焦点を向けていくというコミニュティへの関わり方は、カウンセリングの中で、個人に対して行っている関わりと似ており、カウンセリングを通して得てきた知識や技術は、コミュニティアプローチに、もっといろいろな面で応用していけるのではないかという思いがしました。

シンポジウムでの、オリバー・フォークス氏の弁護士の立場からの連携についての話、冨永良喜氏の被虐待児へのアプローチについての話、中村正氏の家庭内暴力の加害者へのアプローチに関わる専門家の連携について話は、いずれも大変、興味深く勉強になりました。私自身、FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワークというNPO法人に関わっており、この先の活動を発展させていくためのヒントを得ることができ、とても充実した時間が過ごすことができたと思います。

«小杉 幹子 (目白大学大学院心理学研究科現代社会心理専攻)
若手学会員研究・実践活動奨励賞 »