kenshukai 研修会「教育組織へのコミュニティ心理学的な介入を考える」

2007年度日本コミュニティ心理学会
7月の研修会報告

2007年度7月の研修会が以下の通り開催されました。

テーマ 教育組織へのコミュニティ心理学的な介入を考える
日時 2007年7月4日 月曜日
場所 九州大学西新プラザ(福岡市)
参加者総数 22名
当日スケジュール 10:00 「ご挨拶・趣旨説明」

総合司会・進行 塩谷 亨(金沢工業大学)

「保育園の地域子育てひろばでのコミュニティワークについての報告」

話題提供者 森 稚葉氏(山梨英和大学)

12:00 お昼
13:00 「スクールカウンセラーと学校コミュニティ」

話題提供者 嘉嶋 領子氏(福岡県スクールカウンセラー)

 14:00 「教頭会との関わりに関する報告」

話題提供者 岡崎 琴恵氏(お茶の水女子大学大学院)
話題提供者 池田 満氏(国際基督教大学後期博士課程)

 15:00 「教育組織への介入とコミュニティ心理学(全体討論)」

コメンテータ 青木 紀久代氏(お茶の水女子大学)
コメンテータ 嘉嶋 領子氏(福岡県スクールカウンセラー)
コメンテータ 久田 満氏(上智大学)
コメンテータ 吉武 清實氏(東北大学)
コメンテータ 箕口 雅博氏(立教大学)

 16:30 終了
アンケート結果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 性別 ・ 勤務形態 ・ 主な活動・研究領域
女 ・ 大学院生 ・ 教育

  まだ,大学院修士一年の身で,このような研修会に参加させていただき,ありがとうございました。臨床現場での経験はほとんどありませんが,先生方の発表・コメントを聞かせていただき大変勉強になりました。
この研修会で,様々なご意見を聞かせていただき,やはり臨床心理士がコミュニティの現場に介入することの難しさを痛感させられました。コミュニティ臨床においては,他職員の先生方との連携をスムーズにやっていくことが,個人臨床以上に重要な視点になっていくと思いますが,まずは,心理臨床の専門家として確固たる意識・目的を持ちつつも,介入する現場やそこに関る方々のニーズにしっかり耳を傾け,柔軟に動ける力を持つことが重要だと思いました。参加させていただき,本当にありがとうございました。

女 ・ 常勤 ・ 大学・研究所

青木先生のコメントの中で,専門家同士がチームを結んでかかわっていく(層の厚さの)大切さ,個人が自分の力を万能視しないということについて,話されたことがとても納得できました。ミクロレベルからマクロレベルまでを意識するということは大切ですが,全てに一人でかかわっていくことは不可能ではないにしても,初心者や若年者にはとうていできることではないと思います。
自分のポジションを出発点にして,異業種(臨床心理士とコミュニティ心理学者etc)が,チームを組んでかかわっていくことができればと思います。
こじんまりとした集まりの中で,高名な先生も大学院生も共に自分の思うところを素直に話し合える機会を与えていただきありがとうございました。この研修会でいただいた力を現場にもち帰って,少しでも今のフィールドに役立てたいと思います。ありがとうございました。

女 ・ 常勤 ・ 大学・研究所

今日は発表の機会をいただき,ありがとうございました。
実践をふりかえる機会になったこと,コミュニティ心理学的にみて,自分が意識していなかったことに,意味があったことに気付くことができたことありがたかったです。
また,より上位システムにまで視点を広げて,自己の実践を見直してみたいと思います。時間の流れの中,空間の中,人間関係の中で,今自分がどこにいるのかについて自覚的であること,自分自身が今,どういう立ち位置(役割)をとっているのかということに自覚的であること,自分の行動のリスクと可能性を見つめることの重要性を再確認しました。現場におこっていることには常に意味があり,尊重しながら,どう介入するかを考えてゆきたいということも再確認することができました。

女 ・ 大学院生 ・ 教育/開業(私設相談室)

組織に入るのには,様々に考えることがあるということを学びました。
まだ,コミュニティ心理学は学び始めたばかりですが,コミュニティをふかんして観ること,コミュニティの中で個々の方がしていることや能力に着目すること,役割や視点の違いに敏感になることが,コミュニティアプローチで重要なのかと思っております。
とても勉強になりました。ありがとうございました。

女 ・ 大学院生 ・ 教育

嘉島先生の「自然の流れに任せて」や「風土病」の例など,非常に実践の中で考えるべき話を聴かせていただきました。
また,コミュニティ心理学としての独自性について,何を考えていかなければならないかという示唆を得られたと感じています。
青木先生の“コミュニティ心理学としての事例の描き方”については,非常に課題となっているところです。吉武先生の“効果があることをどのように示すか”という点は,コミュニティ心理学で重要なポイントになるのだと実感しました。
このような機会を頂きまして,ありがとうございました。

女 ・ 非常勤 ・ 福祉

ディスカッションの中で様々な観点からご意見を聞くことができ,自分の中でもいろんな視点が生まれたように思います。どの方の発表も興味深かったのですが,森先生,嘉島先生のコミュニティにどのように入っていったかというお話は非常に勉強になりました。
抽象的な話だけでは動きにくいことを感じていましたが,やはり事例を聞くことで自分の中にモデルができていくように思います。
どうもありがとうございました。

女 ・ 大学院生 ・ 教育

ありがとうございました。コミュニティ心理学からの観点からのディスカッションはとても新鮮でした。自分に取り入れられるところから,自然の流れに添いながらこれからやっていければと思いました。

女 ・ 大学院生 ・ 医療保健/教育

森先生の「子育てひろば」の体験報告では,CPの居場所ができあがるまでに具体的にどのような動きをするとよいのか,何かアプローチをするときに目的をどう設定するのか,実践を意味あるものとしてアピールすることを目指すことの大切さを学ばせていただきました。
嘉島先生のSC活動では,SCとしての自分と私に個人としての自分の何%ぐらいで関っていているのかということを意識しているのがプロであるというお話が印象に残りました。
また,コミュニティの自助努力を尊重するという姿勢に,臨床現場からの身につけられた知恵ではないかと思いました。
岡崎・池田先生は相手立場を理解しながら徐々に入っていくということ,統計の面白さを伝えられたときなど,参考になる点が多くあり,今後現場で研究していく上で役に立てようと思いました。
全体的に率直な意見が交換されていて,刺激的でもあり面白かったです。

男 ・ 常勤 ・ 福祉

様々な事例,問題点に触れることができ,たいへん勉強になりました。ありがとうございました。

女 ・ 大学院生 ・ 教育

スクールカウンセラーとしてコミュニティに入ることも大変ですが,研究者としてコミュニティに入ることもとても難しいと思います。
事例集では,研究者の立場でコミュニティの関わり方についても扱っていただけたらと思います。また,スクールカウンセラーとしてコミュニティに入ってしまうと研究の視点が持ちづらいので,そのあたりも今後学びたいです。

男 ・ 大学院生 ・ 福祉

介入への礼儀・常識力・アセスメントの仕方・入り方(そろりそろり等),非常に勉強になりました。臨床家・研究者としての倫理と謙虚さ等,自分自身を振り返るきっかけにもなり,今後生かしていきたいと思います。

男 ・ 常勤 ・ 医療・保健

こじんまりとした集まりで,刺激的なディスカッションが展開されて,大変良かったと思います。
短い準備期間で,事例の準備をされた先生は大変だったことと思います。ありがとうございます。
嘉島先生からは,実践の例についてお話していただけると,より良かったと思うのですが,いつかまたそのような機会をつくっていただければと思います。事例の記述の仕方・基本的な実践・研究の理念はもっと浸透されると良いですね。

男 ・ 常勤 ・ 教育/大学・研究所

コミュニティ心理学の研修会や研究会で事例の出し方はどうあるべきか明示することの(明示できるようにすることの)必要性を自覚させられた1日でした。
話題提供も異なる種類のもので(広げすぎる面もあったかもしれないが)必要な広がりをもたせてくれたと思います。

女 ・ 非常勤 ・ 教育

コミュニティ心理学の「コミュニティ」とは何なのか,その定義は?日本語にならないのはなぜ?ということをずっと考えていました。
小さな会であった分だけ,充実した内容になった側面もあると思います。こういう小ささを保つのはジレンマだとは思いますが,塩谷先生のご尽力,ご苦労に今後も期待いたします。たくさんの方々と知り合うことができました。ありがとうございました。

女 ・ 非常勤 ・ 教育

先生方のいろんな話をたくさん聞けて,実りある一日となりました。自分の今後にコミュニティの視点も取り入れてやっていきたいと思います。ありがとうございました。

女 ・ 常勤 ・ 大学・研究所

事例(実践)報告の焦点となる次元を明確にするのが難しいですね。
ご準備,本当にご苦労様でした。

男 ・ 常勤 ・ 大学・研究所

コミュニティの実践家をどう育成するのかに関していくつかのヒントが得られました。

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