新村 陵子(立教大学コミュニティ福祉学研究科)
第6回大会 参加記
ポスター発表
コミュニティ心理学会ポスター発表に参加して-現場教師との出会い
新村 陵子(立教大学コミュニティ福祉学研究科)
私はこの4月に社会人経験を経て大学院に入学して以来、新しい出来事との出会いの連続でした。学会に出席したのも初めてでした。その立場でポスター発表をみての率直な感想を述べさせていただきます。
今回の学会は様々な視点との出会いの連続でした。その中でも現場の経験が活かされていると感じたポスター発表があります。明道小学校の先生の発表でした。私は現在小学校でADHDの恐れがある子どもの指導に当たっています。現場では学校の先生との連携の取り方の難しさやこの子どもに対しての対応の仕方への不安がたくさんあります。学校の先生が目指していることと、恐らくその子どもの母親が望んでいるだろうと感じることとのギャップを感じています。
しかし、先生の説明や話のなかには、私たちが目指すべきことはなにかという疑問を持っている私にとってはたくさんのアドバイスがありました。簡単にいうと、長い目で見ることの大切さ、時にはただの遊び相手になってその子どもに関わってもいいだろうとのことでした。その答えをいただいてから私は子どもとの関わりかたを教師と相談して変えていくことにしました。
子どもに関わっていこうとすると、確かにどうしても症状に視点を置きがちです。しかし、実際には今の状態をどう理解し、どのような関わりを続けていくかが必要になってくると思います。「健全な自尊心の発達の援助」と先生は研究のなかには書かれていますが、それをどのように行うかが重要です。今回の発表のなかに不適応を起こしたこどもが周りからの不適切な対応や望ましくない経験が積み重なることで、健全な自尊心の発達が阻害される心配があると書かれてある。それに対して学校だけの対応ではなく家庭や地域の中において時間的な発達の連続性という視点で考え広い視野での支援が必要であるという考え方には共感しました。情緒的に不安定なこどもに対してはその障害だけではなく社会との関係で引き起こされる二次的な障害についても対応していかなくてはならないことに改めて気づかされました。
今回のポスター発表では自分の専門と違う多くの視点に出会いとても勉強になりました。それぞれのフィールドを活かした研究には説得力があり、力が感じられました。この学会参加は私に大変な刺激を与えてくれました。ポスター発表以外にもシンポジウムでの熱い話など、本当に私にとっては感動の連続でした。これから先、学会参加で感じた感動を忘れることなく研究を続けていこうと思います。