設立趣意書
日本コミュニティ心理学会について
この度、日本コミュニティ心理学会を設立することになりました。この学会は、狭い意味でのコミュニティ心理学専攻者だけでなく、心理学・社会学・社会福祉学・地域精神医学・公衆衛生学・看護学・教育学など、相互に隣接する諸科学の研究者ならびに実践活動家で、とくにコミュニティ心理学に関心をもつ者が組織する団体です。
わが国におけるコミュニティ心理学の浸透と発展は、ここ20年来着実な歩みを続けてまいりました。毎年開催されて来た「コミュニティ心理学シンポジウム」も本年で23回を数えるに至り、自由な雰囲気のなかで徹底した討論を行なうという方針への賛同者も多く、発表件数も年々増加しております。昨年、このコミュニティ心理学シンポジウムに参加したメンバ-が中心になって、学術雑誌「コミュニティ心理学研究」が創刊されたことはご承知のことと思います。今回、このコミュニティ心理学研究刊行会の会員有志から、是非とも学会に改組・発展させたいとの提案がなされ、この意向を受けてここに学術団体としての『日本コミュニティ心理学会』設立を提案するものです。
会の活動としては、機関誌「コミュニティ心理学研究」を発行するとともに、年次大会やニュ-ズレタ-等により会員間の情報交換と連携を深め、わが国のコミュニティ心理学の一層の発展に寄与しようとするものです。1963年に米国で旗揚げしたコミュニティ心理学が、わが国の土壌においてどのような形で発展していくかは、ひとえに本学会メンバ-の双肩にかかっているといえましょう。
今後とも、「コミュニティの抱える諸問題を心理学的に解決しようとする、実践活動と研究活動を統合する領域としてのコミュニティ心理学」の普及と発展に寄与していく所存です。
皆様には、以上の趣旨をご理解いただき、広範な学問領域からのご参加をお願いいたします。
1998年3月 日本コミュニティ心理学会発起人一同