学会長挨拶

就任のごあいさつ(2024.6)

会長 高橋 美保

日本コミュニティ心理学会が成立してから、四半世紀が経ちました。このようなタイミングで、引き続き会長を務めさせていただくことになり、身の引き締まる思いでおります。前期の3年間は、温泉に集って議論するという古き良き日本の伝統的なコミュニティの良さを残しつつも、社会的な活動を行う組織としての自覚を持ち、さらには新しいコミュニティを生み出し、育む場としての機能を持つということを志向してまいりました。実際に、コロナ下にありながらオンラインを活用することで、役員や会員の皆様方と交流させていただき、ご理解とご協力を賜りました。改めて御礼を申し上げます。

これからの3年間は、前期の積み残しの課題を整理しつつ、次世代のコミュニティ心理学会発展のために土台作りをしていきたいと考えております。お陰様で、本学会は2022年に日本学術会議協力学術研究団体に認定されるとともに、日本臨床心理士資格認定協会から承認学術団体として承認されました。一方、学会内では、日本のコミュニティ心理学実践とは何か、そして、研究とは何かについて委員会を中心に議論を重ねてきました。最終的には、学会の中で同じような関心を持った人間同士が集い、そこで学術的あるいは実践的な議論が繰り広げられ、対話が生まれる場としてのコミュニティを醸成するシステム作りをご提案させていただきました。

今期はこのシステムを安定化させるとともに、対話の中で得られた知見を少しずつでも形にして内外に発出し、新たな対話とより大きな議論ができるコミュニティが形成されることを期待しております。“コミュニティ”を冠する学会として、その本質を自らに問い、体現していきたいと思います。

まずは一人一人の会員が学会へのコミットメントを高め、日本コミュニティ心理学会というコミュニティに属する意味と意義を感じていただけるよう、尽力してまいる所存です。何卒ご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。