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第6回大会 参加記

シンポジウム 「コミュニティ・サイコロジストのNPO活動」

シンポジウム「コミュニティ・サイコロジストのNPO活動」に参加して

高畠克子(武庫川女子大学大学院)

6月の鹿児島は梅雨の真っ只中で,桜島を拝むことができたのは数回でした。でも時に雄姿を見ることができたので,有り難さも格別というところがありました。それに比べて(?)、第6回日本コミュニティ心理学会の初日の女性パワーは,少しやりすぎかなと反省しながら、自戒も込めてこのレポートを書いています。ところで、我が学会も少しずつ体裁を整え、特に原常任理事のご尽力でホームページが着々と整備され、初日の懇親会で早々にこの大会参加記執筆依頼を受けました。私はこのシンポで4人のシンポジストの報告まで聞いて、その後次のシンポの打ち合わせで退室したもので、会場でのやり取りを聞いていないのでお断りしたのですが、結局こういうことになりました。
一言で言うと、NPO法人FLCそれも強烈な村本ワールドという印象でした。
村本さんからは、1990年に設立された「女性ライフサイクル研究所」から、2002年に立ち上げられた「NPO法人FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク」への経緯を話して頂きました。特にNPO法人化の意義として、組織の資金的安定と人材(ボランティアを含めて)の確保というメリットがあり、特に教育関係者とのつながりから、学生の卒後実践の場を提供したことの意義は大きかったようです。
次の西さんの発表は、「あなたとつくりたいサポートネットMAT」で、イベントを通して人とのネットワークを広げたことの意義はありましたが、繋がってどのようなビジョンを作って行ったのかが見えてこなかったのが残念でした。ワーキングマザーのためのストレスマネージメント講座」を紹介してくださった津村さんからは、講座前後でのストレス軽減の様子をグラフ化していただきました。講座の内容がどのように構成されていて、効果測定および数値処理がどのようにされたのかが出されていなかったため(討論のときに出たのでしたらすみません)、学際的知識の共有と再現性の問題で不満が残りました。最後の新恵里さんからは、被害者支援のアドボケ―ター養成講座について話されましたが、どのような被害者にどのようなアドボケイトをするかは、個別特殊性と共通普遍性があると思うのですが、やはり具体的にもう少し踏み込んでお話を伺いたかったと感じました。新さんは今、池田小学校事件後に出来上がった「学校危機メンタルサポートセンター」でお仕事をされていらっしゃるので、是非そこでの危機介入研究について学会誌に投稿して頂きたいと思いました。
何れにせよ、コミュニティ・サイコロジストが結集してNPO法人を作り、コミュニケーションの場・学びの場・癒しの場から、コミュニティづくりのネットワークが広がっていったのは画期的なことだと思いました。

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